トライストラムスのバッグインバッグを買いました。

買って10日くらい使ったのでレビュー。

A4が入るファイルが入る一番大きいサイズのを買いました。

地はしっかりしたスウェット生地で張りがあります。いわゆる服のスウェットを想像するとしなしなすぎると思う。

私は中にキングジムのスーパーハードホルダーをいれているので、書類が折れることはまずないです。

使い方ですが、おおよそこんな感じです↓ 

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たぶんタブレット入れなんだろうポケットがKindleにぴったりだったので、いまはKindleを入れています。手帳を入れているポケットはほぼ日のWeeksがぴったりです。真ん中のジップに先述のキングジムのハードホルダーとクリアファイルを2点入れています。

反対側の大きなポケットにはばんそうこう、Ankerの充電器、名刺入れを入れました。カオス入れとなっていますが、かばんのなかでカオスになるより何倍もよいです。

これ+電子辞書+化粧ポーチでおおよそ会社に行くときの用は足りています。あとは天気に応じて(という器用なことはできないのでいつも)折りたたみ傘を持ち歩いているくらいです。

かばんの非カオス化に貢献してくれてありがとう。

ジャスミーカラーを受けてきました

 先日思い立ってカバーマークのジャスミーカラー診断を受けてきたのでそのことについて書きます。

 長年無印の下地とキャンメイクのパウダーで生きてきたのですが、さんざん人様の結婚式に出たあとでいい加減ファンデーションくらい買うべきだと思い、どうせなら診断を受けようとデパートカウンターデビューしてきました。未デビューの方は、きちんとわけがわかりませんという顔をして、されるがままにされることをおすすめします。大体なんでもプロに任せましょう。

ジャスミーカラー診断とは

www.covermark.co.jp

 カバーマークのジャスミーカラー診断というのはjust me color診断のことで、

「人の肌は、表面的な色だけではなく、皮下を流れる血流の色影響(=スキンアンダートーン)が、肌色を決定する大事な要因である」というのが<ジャスミーカラー>理論。

 より動脈血の赤が強くでた肌をイエローベース、より静脈血の色が強くでた肌をブルーベースと分けます。よく混同があるらしいですが、「パーソナルカラー診断とは別」だそうです。ここらへんはBAさんが丁寧に説明してくれるので、説明を読んでいく必要はありません。

 わたしは以前パーソナルカラー診断を受けて、ブルーベース夏だということはわかっていましたので、こちらもおそらくブルーベースだろうなと踏んで挑みました。

事前準備

 服装は

・膝まで腕まくりができるもの(診断で使用するため)

・首周りがあいたもの(顔面全面塗られるので)

 をおすすめします。

 また、目元以外のメイクは全部落とします。下瞼のキワぎりぎりまでBAさんがミルククレンジングで落としてくれるのが最高に気持ちがいい。なのでアイメイクを凝る場合は上瞼のみにしておいたほうが良いかと思います。

 そして財布の中身ですが、後述しますが診断はあくまで診断なので買わなくてもOKです。あとは良心の問題です。わたしは良心と銀行口座が破綻していたので今回は買いませんでした。

0.カウンター着~事前カウンセリング

 診断は、場所にもよるようですがおおむねカウンターでやるようです。なので空いてたら突撃しましょう。私は予約もせずに行きました。どこで知ったか聞かれるので「インターネットで見ました」で通しました。だいたいアットコスメのことだと誤認してもらえます。

 つぎに大まかな説明を受けたあと、カウンセリングシートを書きます個人情報は名前と生年月日だけで大丈夫でした。あとはお肌の悩みやファンデーションに求めるものなどにチェックを入れます。このシートをもとにクリームファンデを勧められました。よくわからないのでBAさんに従います。

1.腕で診断

 で、まずは自分の肌がイエローベースとブルーベースどちらなのかを判断します。

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 こういうふうに市役所のおじさんが腕につけてるやつみたいなのをした上で、手首から関節の手前まで、ファンデーションをイエローとブルー各2色、計4種塗られます。この時点で私は図のようにイエローが肌から浮きました。ただ私は結局ブルーでしたが、BAさんいわく、「塗った色ではなく、周囲の肌がよりきれいに見える色が正解」だそうです。

2.顔で診断

 次にフェイスラインで診断します。クリームファンデーションが瓶から細長いスパチュラで取り出されるので緊張します。BAさんが指でぺぺっと塗ってくれます。

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 ブルーベースの製品6種類のうち、BAさんが選んでくれた3色がこのように並びます。このあたりですでに正解がわかってるんだろうな~という感じがしてきました。どう見ても一番最後に塗った色が明るくもなく暗くもなく、黄色に転びもせず、ピンクになりすぎもせずです。

 というわけで私のより良いファンデーションはBN10だということがわかりました。右からブルーベース(B)の、ピンクより(N)の、10(明るめの色)です。

3.ベースメイク

 さて、診断がでました。普通のカウンターではここでサンプルをもらうらしいのですが、カバーマークはサンプルを用意していないそうです。代わりにベースメイクに移ります。顔面全面をプロに塗ってもらってサンプルとする、という潔いシステムです。

 まずテストした色をクレンジングで落とします。BAさんが「実はこのクレンジングが一番売れてるんですよ」と言っていましたが実によく落ちます。高いとわかりやすく性能が良くなるのがコスメのいいところです。そのあと高い化粧水と高いクリームを塗ってもらいます。どれだか忘れましたが翌日朝起きたときにまだ効果が続いていました。高い。

 そして下地→ファンデ→コンシーラー→パウダーとフルラインで仕上げていきますが、額は塗られません。変化を比べるためにそのままにされるそうです。

 ここでもトラブルや悩みについてのチェックシートを参考に、何種類かあるものの中から仕上げられていきます。任せましょう。わたしは生来の血行不良でクマがひどいのでそれも頼みましたが、プロに任せるとびっくりするほど明るくなります。最後にリップカラーをサービスしていただいて終了です。

4.終了後

 終わったあとにパンフレットに今日使った商品をマークしてもらえます。この日はあくまでテストなので商品を買うように勧められるようなことはまったくありませんでした。BAさんは4時間後に崩れてないか確認してくださいね、とすごく快く送り出してくれました。すごくいい人でした。

 そのあとは新宿~渋谷間を歩いたりと明らかに普段やらないことをやった上に、小春日和だったものでかなり汗ばみましたが、圧倒的に崩れませんでした。めがねユーザーなのでさすがに鼻あて部分はヨレましたが、そこだけ薄く塗るなどの対応でどうにでもなりそうでした。

 やっぱりコスメは高いと強いです。確かにプチプラでもいい商品はたくさんあるのですが、自分にあうか試さないとダメだし、値段なりにハズレも多い。一方高いところでプロに選んでもらうのはほぼ確実に正しい。自分のような身辺に時間や手間をかける気がない人間は、こういった診断やパーソナルカラー診断を元にして、なるべく面倒をかけず購入するのが正解のひとつかなと思いました。

 ということで今度まとまったお金が入ったら一式買おうと決意をして、帰りに100均一で500円玉貯金のための貯金箱を買いました。

 レポートは以上です。お疲れさまでした。

「この世界の片隅に」雑感

この世界の片隅に」の試写を見てきました。以下は雑感で、後半はネタバレを含む感想です。

konosekai.jp

 

 単刀直入に言うと、とてもいい映画でした。人の生活が少しずつむしばまれて、世界が少しずつむしばまれて、失われたものは戻らず新しいものが芽生える、そういう映画でした。

 私は幼少期に広島に住んでいました。最近もよく広島に行きます。物語の主な舞台である呉には行ったことがありません。でもそういうことは特に関係ありません。事前情報はいりませんでした。原爆や広島や被爆者や、そういったものについての知識もいりませんでした。

 これは変化の映画です。昭和20年8月6日を良く晴れた普通の朝として、あるいは人生のちょっとした変化の一日として迎えた人たちの話です。反戦プロパガンダ映画でも、武蔵や大和がカッコよく描かれた映画でもなく、戦中をとてもふつうに生きた人たちの物語です。かつて祖父母やその上の代が、ふつうの生活からゆるやかに、否応なしに一線を越えた日常に入り込んでしまった、その記録に近い映画です。

 冒頭で描かれていた「ふつう」の生活は、開戦し、戦局が厳しくなるにつれなだらかに、確実に、8月6日に向かって崩れていきます。そしてそこでは終わりません。8月6日、9日、15日を過ぎても、命がある人間はまだまだずっと生きていく、生きていくしかない。誰を失っても、もう軍艦は浮かばなくなっても、主題歌のように「悲しくてやりきれない」としても、変わらず瀬戸内の海はきれいで、アオスジアゲハがとんでくる。70年後も同じように。

 この映画の登場人物はみんな古い広島弁を使います。正直、広島弁に慣れていない人間にすべてのセリフが通じるかといえば、かなり難しいでしょう。でもその言葉の標準誤訳はありません。登場するすべてのことに説明がありません。それは登場人物にとってふつうのことだからです。途中、いくつかハッとさせられるシーンがあります。その数は人によって違います。わたしも、なにか意味がありそうで、残念ながらわからないシーンがありました。それはこの70年に途絶えた何かのことなのだと思い、家に帰って調べました。もう一度見たら、またなにかわからないところが出てくるでしょう。何度か繰り返し見たいなと思います。

 

 こうのさんの話を限りなくそのままに、美しく、そしてアニメーションという形でしかできない表現をめいっぱいに入れて、こうやって映画化されて本当によかったと思います。

 

 以下はネタバレを含みます。

続きを読む

カープ雑誌まとめその2

前回、ユ関連雑誌のまとめを書いたのですが、自分でもびっくりするほど長くなっていたので、優勝後に発行された雑誌の追加分については新規記事を作ることにしました。

 

前回同様、購入した雑誌のみのレビューです。また意見には個人差がありこの記事は百パーセントの主観です。

本記事では各雑誌などを写真・記事・記録・アツ・福井の5種類の評価基準を設け、それぞれを星0~3で評価しました。アツと福井に関しては★0=掲載なし、★1=一応載ってる、★2=割と充実、★3=ファン早く買え、です。

また今回の記事は優勝から時間がたって発売されたものについては若干辛めの評価をしています。時間があったらなら練れるだろうというアレです。ご寛恕ください。

 

 というわけで以下です。

 

プロ野球2016シーズン総括BOOK―優勝!広島カープ25年ぶりの歓喜 (COSMIC MOOK)

プロ野球2016シーズン総括BOOK―優勝!広島カープ25年ぶりの歓喜 (COSMIC MOOK)

 

写真★★★ 記事★★ 記録★★★ アツ★★ 福井★★

ジャクソンの写真が4カットも贅沢に載っているので★3です。全体的にすごく写真がよく、眺めるタイプの本。ほぼ選手紹介+シーズンベストゲームで、あとは過去の優勝についてと「空白の25年」についての記事が少し。主力選手は見開きでカッコいい写真がたくさん載っているので主力選手ファンの人は眺めてにやにやしましょう。

 

広島東洋カープ 25年ぶりセ界一! (洋泉社MOOK)

広島東洋カープ 25年ぶりセ界一! (洋泉社MOOK)

 

写真★★★ 記事★★ 記録★★ アツ★ 福井★

新井、黒田、誠也がおおきめの扱い、そのほか緒方監督はなぜ変われたのか、OBインタビューなど。選手紹介はかなり良い出来で、セレクトされた写真は各選手の個性が出たもので、キャプションがかなり丁寧かつ周辺情報を拾っているのが好感度が高い。判型は小さいけどいい本です。誠也の記事は森田くん筆。

 

 写真★★★ 記事★★ 記録★★★ アツ 福井

凱旋試合+セレモニーのレポート、レジェンド(衣笠、外木場、大野、川口、小早川)など。全体的にはパリーグの首位争いのほうが多め。千葉功さんの「記録の手帳」が今シーズンのカープのまとめをしているので興味がある方は買いです。あとサファテのインタビューがあるのと菊池が迎コーチ補佐がいかに優秀な釣りの師匠であるかの話をしています。

 

写真★★★ 記事★★★ 記録★★★ アツ 福井

冒頭のエッセイが西川美和さんだったのでとにかく読もう。この「どうして広島東洋カープは、こんなにも人生そっくりなんだろう」と題されたエッセイが、カープファンならずとも何かを応援している人間のハートに突き刺さるデキ。あとは黒田新井対談、苑田スカウト部長インタビュー、タナキクマルノムインタビュー、そして村瀬さんの「鈴木誠也が"神る"まで。」という誠也の人生に迫る記事はこれまた味わいがあっていい。お父さんと広島の銭湯に入った時のエピソードが特にいい。早く買いましょう。

 

 

 写真★★★ 記事★★★ 記録★★ アツ 福井

 

タクローさんと野村、中崎、石原さんのインタビューが目玉。石原さんになかなかスポットが当たらないのが口惜しかったのでファンは買いましょう。ただしインタビューはどれも優勝前のものです。あと毎号べらぼうに面白い西村通訳の連載が今回はマクレーンなのですが、すごくいいエピソードなので読んでほしい。

「本誌創刊以来初の優勝特集号!」っていうあおりがメチャメチャ悲哀があるので(創刊23年…)本誌創刊前後に生まれた人間の気持ちになれます。あとどうでもいいがアスリートはいつから記名記事をやめたんだろう。

 

カープ 25年の軌跡 (TJMOOK)

カープ 25年の軌跡 (TJMOOK)

 

写真★★ 記事★ 記録★★★ アツ 福井★

タイトルは25年の軌跡ですが半分くらいは創設からの歴史。インタビューは菊池のみ。V戦士紹介ではアツがいませんでした。福井がマジック20を点灯させて本当に良かった。変わったところでは野球鳥きのしたとHARAYAの紹介など。後半はほとんど過去の記録ですが、この25年の開幕投手最多勝の一覧など切り口は面白いものもあり。

カバーを外すと黒田さんの200勝試合の記念撮影ポスターになっています。欲を言えばカバー下が赤字に球団ロゴなので、2色でいいから同じデザインにしてほしかった。 

 

週プレNo.43 10/24号 [雑誌]

週プレNo.43 10/24号 [雑誌]

 

 写真★★★ 記事★★★ 記録 アツ 福井

 これはごらんのとおりふつうの週プレなのですが、前述の村瀬さんの「仏ってる?悟ってる?禁断のカープ坊主座談会」という激ヤバ企画が最高に面白いので紹介。カープ坊主の会150名を代表する6人4宗派のカープ坊主たちが負けた日のスポニューを修行と思い、物を投げたり罵声を浴びせたりしながら心の平穏を保つ様子がうかがえます。そのあとの企画が83歳のおばあちゃんが登場する「天国に一番近いカープ女子座談会」なのもヤバい。

 

広島アスリートマガジン特別増刊号 2016 カープ優勝の軌跡

広島アスリートマガジン特別増刊号 2016 カープ優勝の軌跡

 

 写真★ 記事★ 記録★★★ アツ★ 福井★

ごめん、正直ちょっと期待外れだった! 優勝後インタビューとれてるかなと思ったんですが過去のインタビューなどをつなぎ合わせて選手紹介にして、写真も過去号表紙の別カット、なにより勝った試合全部載せるというコンセプトが中国新聞とかぶっていた。これまでアスリートを全然買ってなくて1冊買おうかな、という方には勧められるかな…。

 

絶対応援!! 広島カープ (DIA Collection)

絶対応援!! 広島カープ (DIA Collection)

 

写真★ 記事★ 記録★ アツ 福井

写真の解像度がめっちゃ低くてびっくりしました。全体的にあんまりキレがない。 「面白選手紹介」はWikipediaとかこいせんwikiから拾ってきたようなネタなので脳髄にインターネットを接続したファンにはあまり価値なし。

唯一他誌でやってなかったのが全国緋鯉会連盟総代表の山村さんへのインタビュー。前代表苅部さんのカリスマ性などが語られるので関東外野の民は読んでみてもいいかもしれません。

 

 以上です。また購入したら追加レビューします。過去の週刊ベースボールも発掘されたのでそちらは前記事のほうに(余裕が出たら)追加しておきます。

 

カープ関連雑誌などのまとめ

ユしましたね。3連敗してもまだユしているのでユはすごいなと思いました。次のユは25年より早くしてほしいです。

 

さて、猫も杓子も赤い雑誌などを出していて大変なので、手元にある今年刊行された赤い雑誌や本をまとめました。要は買い物記録であり重複購入防止で、意見には個人差がありこの記事は百パーセントの主観です。

本記事では各雑誌などを写真・記事・記録・アツ・福井の5種類の評価基準を設け、それぞれを星0~3で評価しました。アツと福井に関しては★0=掲載なし、★1=一応載ってる、★2=割と充実、★3=ファン早く買え、です。

 

開幕前系

今年はちゃんとCS行こう、あわよくば優勝しよう!という謙虚な態度。

球団承認 Carp SPIRITS 2016 (タツミムック)

球団承認 Carp SPIRITS 2016 (タツミムック)

 

記事★★★ 写真★★★ 記録★★★ アツ 福井★★★

今更紹介するまでもない手帳以上のカープ手帳。スタメンや勝敗を記入するスケジュール欄のほか、広島県の各都市観光ガイドや「とっさの英語&スペイン語会話例文集」(例:「あなたのファンです」「サインをください」「握手してください」)など実用方面では段違いの充実度。選手インタビューも広島の街への印象など私生活面にも触れたとことんファン目線の一冊。西村通訳インタビューもあるぞ。去年版(Carp SPIRITS 2015 (タツミムック))も読み物として面白いのでアツファンはそっちを買おう。最後に、編集者の方のご冥福をお祈りします。

 

広島東洋カープ読本2016

広島東洋カープ読本2016

 

記事★★★ 写真★★ 記録★★★ アツ★★★ 福井★★★

全体的に記事は充実。写真は一岡の白目むきかけてる写真が1ページバーンと貼られるなど謎セレクトもあり。引退選手のその後を羅列した特集では、遠藤が宝石卸商の営業であったり仁部が秋田精工に就職したり田中由基が実家の造園業を継いでいたりすることが報じられ、果てはアンダーアーマー川崎店でレンチを使う齊藤店長の写真を掲載するなどツボの抑え方が若干おかしい。

アツ記事は扉写真が完璧にラーメン屋の店主で、キャンプ中にあった「プホルス打法」報道を「記者が勝手に書いただけ」とブッタ切る様子が掲載。福井の記事は開幕前だけありセンターカラーで大絶賛、シーズン中に心が折れたときによく読んだ。

 

シーズン中系

このころもまだ「カープもしかして今年強いかもしれない」テイスト。

ベースボールサミット第11回 特集広島東洋カープ 25年ぶり優勝へ『永久不変のカープ愛』

ベースボールサミット第11回 特集広島東洋カープ 25年ぶり優勝へ『永久不変のカープ愛』

  • 作者: ベースボールサミット編集部
  • 出版社/メーカー: カンゼン
  • 発売日: 2016/07/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

記事 ★★★ 写真★★ 記録★★★ アツ 福井

表紙掲載選手インタビューのほか、各紙番記者やおなじみの面々のコラム、苑田スカウト部長、松本スカウト、シュール、水本二軍監督、山内さんなどのインタビューを掲載。どれも取材日付が載っており「神ってる」前夜の誠也インタビューをかみしめながら読める。写真は巻頭はカラー、本文掲載分は紙質が悪い影響が若干ある。福井とアツについては影も形もない。南無。

 

マジック点灯前後系

ここらへんから各社に潜伏しているカープファンのうっぷん晴らしが始まっていて、妙な読み応えのある記事を含む雑誌が多数刊行される。

記事★★ 写真★★ 記録★★ アツ 福井★★★

M20点灯試合直後の福井インタビュー掲載。発売直後に福井抹消。ウッ……。インタビュー自体は福井節が楽しめ、河合じゅんじさんの「私情の空論」も福井。他にマーティと松長通訳のインタビュー、「Locker  Room」では水ぶっかけが梵から始まったことが誠也によって語られ、用具紹介コーナーでは一岡登場。でも助っ人特集にニックがいなかったのはどう考えてもおかしいので★2。

 

記事★★★ 写真★★★ 記録★★★ アツ★ 福井★★

全ページカラーなうえ、朝日なのでカメラマンがよく結果としてとても写真がいい。あと各選手の甲子園での写真が掲載されているのもとても朝日。データスタジアム社執筆記事は数字に弱い人間にも優しいのでありがたい。

番外編として暗黒時代特集記事を左に90度傾けないと読めない仕様にしたことを大絶賛したいところ。この暗黒記事はジョー古河の入団や「あつかんリレーがこの年だけ稼働」、建さんが審判向かってボール投げて退場事件、中東がFASのMVPに選ばれるもその試合で骨折事件など、明らかにダークマターの吸いすぎによるトピックが取り上げられているので暗黒面に落ちたファンにおすすめ。

 

躍進する広島カープを支える選手たち (KAZIムック)
 

 記事★★★ 写真★★★ 記録★★ アツ★★ 福井★★★

出版社の野球ムックのページを見るとあまりに唐突に出されている本。基本は各選手の投球・打撃・守備の連続写真に、これまでの経歴などをサックリまとめた記事が付属して1見開き。時折インタビューや変化球の握りについての解説などが入る。過去のムック製作に際して出た写真をまとめたものかと思いきや、各選手解説が妙にマニアックかつファン目線、さらに最新コメントが入っていて明らかにカープファンの仕業なので買いましょう。福井はインタビューもあるぞ。

 

Vじゃけえ広島!! Road to VICTORY (広島東洋カープ)

Vじゃけえ広島!! Road to VICTORY (広島東洋カープ)

 

記事★★★ 写真★★★ 記録★★★ アツ★ 福井

「マジでVじゃけえしやがった」とインターネットをどよめかせた一冊は、ジャクソンはハイチュウ、ヘーゲンズはうまい棒が好きなことがわかる上にメチャメチャ面白いジャクソン×ヘーゲンズ対談が必読。大野達川対談ではたっちゃんは最近うどんとかそばを例えに使うことが増えたという本人の証言が読める。中四国限定なので遠い人は通販しましょう。

アツは掲載されてないが週ベ恒例「ベースボール写真館」がアツユニを着た祖父と孫のツーショットで、やっぱりアツの支持層って年齢高めの男性なんだ……という理解が得られたので★1。

 

優勝系

25年間溜めに溜めた人たちが大爆発しているので読みごたえに溢れるラインナップ。あんまり「荒稼ぎするぞ~~」感はない。

記事★★★ 写真★★★ 記録★★★ アツ★★★ 福井★

表紙の安部がメチャメチャかわいいと思いませんか? ★3です。

優勝決定試合の経過、優勝会見、ビールかけがカラー掲載。順位推移グラフで「今年のカープはもしかしてすごく強かったのではないだろうか…」と上から目線で振り返ったり、担当チームが初めて優勝する担当記者のうろたえた手記を「うんうん、わかる、そうだよね」と謎の共感を持って読める。

そのほか、野球浪漫が赤松、ファーム記事に桒原。「Locker Room」ではアツが「去年のシーズン中からどうもボールが見えなくて……」という早く眼科行けエピソードを披露している。試合中はコンタクトらしいので、今オフは達川に弟子入りするといい。

 

記事★★★ 写真★★ 記録★★★ アツ★★ 福井★★

初っ端から新井の色補正がビミョーで突貫工事かと思いきや、ちゃんと作りこんであるやっぱり週刊ベースボールはいいねムック。 2016年全試合のスタメンと登板投手記録は記念品。「歴史に名を刻んだ赤ヘル戦士たち」コーナーでは、今シーズン一軍に登録されたすべての選手が紹介されているので、土生や庄司、船越などの初登録選手のファンや、2016年に江草が何をしたのか確認できず不安な人におすすめ。

個人的にはメンバーリストに打撃投手やトレーナー、スコアラー、通訳、広報などを入れてくれたことで相澤や苫米地、河内、篠田の名前が優勝本に刻まれたことがとてもうれしい。ところで打撃投手の背番号、山本芳彦さんだけ空欄なのだが誤植なのか背番号がないのか有識者の方、教えてください。

 

カープV7グラフ ?25年ぶり リーグ優勝への道

カープV7グラフ ?25年ぶり リーグ優勝への道

 

記事★★ 写真★★ 記録★★★ アツ★★ 福井★★

大本営発表はまず本文用紙が分厚く「保存しろ!!!」という強い思いを感じさせる。中身は9割が「カープが勝った日の新聞記事と写真とたまに球炎」であり、今シーズンは負けてないような錯覚を覚えさせる、まさに大本営といえるヤクい編集がなされている。来年以降つらくなったらこれを読もう。

 

記事★★ 写真★★ 記録★★★ アツ★ 福井★

基本的にはサンスポの記事の総まとめ本。記事を新聞ではない形態で所持したい人向け。松田元オーナーの優勝インタビューが一番原語に近い形で掲載されている気がする。緒方監督ヒストリーでは現役時代の松葉杖姿の写真が拝めて、いったい誰が得をするのかよくわからないがありがとうございます。

 

 記事★★ 写真★★★ 記録★★ アツ★ 福井★

ビールかけの写真とコメントが豊富。確認はしていないが参加選手全員のコメントがありそうなので、オスカルや梵の感想を読みたい人はこの本で。主力選手の写真は見開きでかっこいい。記事量はそんなに多くないが「1975&2016優勝胴上げジャンボポスター」という需要のよくわからない付録が妙にときめく。

 

記事★★★ 写真★★★ 記録★★★ アツ★★ 福井★★

前掲のサカダイと版元が同じであり、万が一中身が……と思ったが特に心配はいらなかった。優勝試合の記事は森田ゆとりくんが書いています。

優勝試合記事と全試合結果のあとに各選手の紹介がくる構成。各選手の名前の書体が最近のラノベみたいなオシャレさでハーモニーを感じる。黒田と新井はこれまでの記録がまとめられているのでファンの方はお買い求めください。

そのほか、田中と誠也をスカウトした尾形のインタビュー、共同通信記者による助っ人のケアとスカウトについての記事、めっちゃいいジャクソンスマイルなどが掲載されている。「年度別ドラフト通信簿」は06年ドラフトからの掲載で、個人的にはここ3,4年についての評価はしなくてもいいんじゃないかなみたいなところはあるがアツさんの獲得が◎になっていたので全然問題ないです。

 

祝!! 2016広島東洋カープ優勝記念号(Baseball Times特別編集)

祝!! 2016広島東洋カープ優勝記念号(Baseball Times特別編集)

 

記事★★ 写真★★ 記録★★★ アツ★ 福井★ 

浮かれるファンにそれなりに冷水をかけてくれる慎重派BT謹製優勝ムック……というのは完璧な主観で、個人的に褒めてほしい選手が活躍相応にしか褒められていない点に不満があるだけで、活躍している選手はちゃんと褒められているので活躍した選手のファンにはおすすめ。それでも主張するけど次世代捕手は育成されていると思います。フォークが捕れるようになったし。

 

以上、9月19日現在手元にある雑誌についてまとめました。今後新規購入ならびに古い週刊ベースボールが発掘され次第追加していきます。 

 

 

 

 

 

 

言語化の不自由

 下の記事とはまったく違う話をする。ここからの「具合」はメンがヘルほうの「具合」なのでそういう話が嫌いな人は発言小町でも読んでいてください。

 

 具合がわるい。

 わりと頻繁に具合をわるくするたちで、そのたび頓服薬でどうにかしてきたのだけど、今回はしっかり根深く具合がわるくなったので、医者に行って毎食後と寝る前に薬を飲むことにした。

 飲むことにしたというのは、今かかっている病院がオーダー通りに処方箋を書いてくれる、旧32条下ではおそらく天国であったようなタイプの医者ばっかり揃えているからだ。これとこれとこれをください。何日分。それで処方箋を書いてもらえるので、病院とはいったい何ぞや、診断とは何ぞや、と薬局の待合室で哲学じみすらする。といってもカウンセリングに割く時間がない以上、いまは脳味噌に化学物質をぶちこむ一択しかなく、それなら変なものを試すよりは、自分の慣れた化学物質がよいなといったレベルの話だ。

 具合がわるいときには、精神状態や感情の言語化にはなはだしい障害が発生するので、具合がわるいという主張がうまくできなくなる。現時点では薬を飲んで改善している感覚はまったくないが、薬をのめばそれなりに体が動くようにはなるので、服薬を継続している。感覚が言語化できるようになるころにはだいたい治りかけというあんばいだ。10年以上よくなったり悪くなったりをして、なんとなく付き合えるようになってきたから、わたしもまだ可塑性があるんだろう。

 

 しかし、医者、あんなにフランクに処方箋を書いてくれていいのだろうか。わたしはありがたいのでいいんだけど。

前田健太投手について

 私にとって前田健太という投手は、大野豊と同じくらい特別な存在だ。というと大野豊がいかにスペシャルであるかについて語らなければいけなくなるので、この導入は明らかに失敗なのだが、続ける。

 

 私がはじめて前田健太投手を生で見たのは2008年の4月5日のことだ。

 当時の私は受験生という世を忍ぶ仮の姿を装う、愚にもつかないフリーターだった。旧市民球場最終年と大学受験を非常に個人的な事情で被らせてしまい、自分の6年間にわたるバカさ加減のしりぬぐいがこんな瞬間に訪れるなんてと歯噛みした。どうせならもう1年フリーターをやって広島に行きまくればよかった。でもさすがに24とかで大学入るのつらい。そんなことを考えてながら、最後にもう一度市民球場で野球が見たいと、英検2級に払うはずの金を、横浜戦の外野自由のチケットに変えた。ほんとうは中日か阪神か、東京では見られないカードがよかったのだが、予備校生の身分で選べる日は少なかったのだ。そして4月4日の夜、目黒でのバイトを終えたあと新宿西口から夜行バスに乗った。

 まだ予告先発なんてなかった頃だったので、消灯前の車中で携帯で野球chを見て、どうも明日は2年目のPL卒のあいつが投げるらしいという情報を得た。佐々岡があんなに簡単に18を譲るような男だから、きっといい投手なのだろう、だけど2年目で18って早すぎないか? 齊藤はいちおう1勝したからいいけどさ。そんなことを思って、携帯の電源を切った。

 

 翌朝バスセンターについて、本通りのマクドナルドで身支度を整えた。今はどうなっているかわからないけれど、当時のマクドナルドには広島版のデイリースポーツと日刊スポーツが置いてあった。そこで前田健太のデビューを知った。記事には1年目の成績が良くて、なんだかすごく期待されているようなことが書いてあった。黒田がいなくなって、先発陣は2016年よりずっと絶望視されていた。そこに添えてある写真を見て、こんな細い選手が大丈夫だろうかと思った記憶がある。

 午前中は、旧友とひろしま美術館に行って、モネを見た。12時ごろに市民球場の前で別れて、外野席に向かった。旧市民球場の芝はマツダスタジアムと比べればきっとぼろぼろで、座席も狭くて、もし今座ったら不快な思いすらするのかもしれない。でも4月の市民球場はぼんやりあたたかくて、外野で今はもういない選手たちが本塁にボールを投げるのを見るのが心地よかった。やっぱり本拠地は違うのだ。

 

 まっさらのマウンドに立っていたぴかぴかの背番号18は、遠目から見ても細くて折れそうだった。今あんなに立派な体に育ったのがウソに思えるくらいに、華奢な選手だった。

 前田健太は、初回、簡単に2アウトをとった。デビュー戦とは思えないくらい落ち着いていた。三番の金城に対して、すこしてこずった。結果、四球でプロ初のランナーを出した。そこからだった。前田健太は四番村田――いまよりずっと怖かった村田に対しながら、さっと一塁に牽制球を投げて、金城を刺した。そして堂々とベンチに戻った。

 一瞬だった。プロ初登板で、四番を相手にしながら、何食わぬ顔で牽制で仕留めて見せた。弱冠にも満たない19歳の少年がだ。技術の良しあしは正直私にはわからない。だけど、この選手は本物だと思った。絶対に大成する、18にふさわしい選手になると思った。

 

 その日のスコアがこれだ。

 http://www.nikkansports.com/baseball/professional/score/2008/cl2008040503.html

 天谷のサヨナラ安打からの、ヒーローインタビュー「美味しいお酒を呑んでください」の日として記憶している人が多いと思う。私も生まれて初めてのサヨナラ勝ちに、ホームチームだけの特権に、うかれた。あるいは石原さんが4安打した日として覚えている人もいるかもしれない。

 でも私が試合を振り返って一番に思い出すのは、前田健太の牽制なのだ。私が前田健太に惚れたのは、ピッチングでも守備でも打撃でもなく、あの牽制球だった。

 

 2008年4月5日のスターティングメンバーの半分以上がチームを去った。若きエースは、球界のエースになってくれた。間違いなく稀有な選手だし、そのはじまりから一旦のおわりまでを見られたことは、幸福以外の何物でもないと思う。当たり前のように彼が投げていてくれたことのありがたさに、おそらく来年改めて気づくのだと思う。

 

 どうか彼が怪我なく、アメリカの地で思うような活躍ができることを願う。そしていつか、もしよければ、嫌でなければ、もういちどカープのユニフォームに袖を通してほしい。