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最近女子小学生と女子中学生に勧めた本

前提

突然ですが親戚に女子中学生と女子小学生がいます。本物のJC(いちねんせい)とJS(よねんせい)とか、見るだけで犯罪っぽいので遠くから眺めるだけにしていました。しかしここ1年くらいで、かつて読書家であったわたしに対して「おススメ本をリスト化してくれ」という依頼が相次いで舞い込んできたのです。

はじめは「わたしは人に語れるような読書遍歴の持ち主ではない」ということを丁寧にお話したのですが、母から「人は語りえぬことについては沈黙しなければならない、だが話せることは話せ」という圧力を受け、以下のリストを作成するに至った次第です。小学生だったわたしの手の届くところに「奇子 (上) (角川文庫)」←本当は単行本を置いておいた人間がどの口で。

 

女子小学生編

わたしがリアルJSよねんせいだったころは『織田信長(1) 無門三略の巻(山岡荘八歴史文庫 10)』とか『モロー博士の島 (偕成社文庫)』とか読んでいたのですが、今回本を紹介する相手が「ふだんあまり本を読まない、教科書くらいでしか小説にふれていないJSよねんせい」だったため、上記のような作品は諦めました。

低学年でも読める、児童向けで、あまり入り込むのに無理がないものが中心です。どうでもいいですが、少女小説みたいなのほとんど持っていないのがよくわかりました。

1.『都会にきた天才コオロギ』(ジョージ・セルデン)

絶版になってたくさいので違うバージョンのを。

ざっと説明すると音楽の天才であるコオロギがたまたま都会にやってきて、ネズミと猫(喧嘩しないトムとジェリーみたいな二匹)に出会い、その類稀なる音楽性で飼い主の少年の実家の店を大繁盛させるという作品。

天才コオロギニューヨークへ

天才コオロギニューヨークへ

 

読む弊害は、レバーソーセージが食べたくなることと、中華街でやたらと雑貨屋に入りたくなること。異種間友情が好きな方はおすすめです。

 

2.『宇宙人のしゅくだい』(小松左京) 

宇宙人のしゅくだい (講談社青い鳥文庫)

宇宙人のしゅくだい (講談社青い鳥文庫)

 

最初は星新一にしようと思っていたのですが、光村図書の教科書に「おみやげ」が載るのは5年生だったなあ……と思い出したので、こちらに。

青い鳥文庫だけあって「ちゃんとした子供向け」の作品ですし、ちょっとした毒もきちんと入っているので、これを下地として、教科書で星新一に出会い、『ボッコちゃん』とか『宇宙のあいさつ』とかを読んで、最終的には『午後の恐竜』の情景で涙できるJCに育ってほしいなと思っています。

 

3.『ドリトル先生アフリカゆき』(ヒュー・ロフティング)

ドリトル先生アフリカゆき (岩波少年文庫 (021))

ドリトル先生アフリカゆき (岩波少年文庫 (021))

 

 最近福岡伸一さんの新訳がでているのですが、「オシツオサレツ」という至上のネーミングを超える訳があるのかこわくてまだ読んでません。

 JSはちょっとむずかしいーって顔をしてましたが、『航海記』借りてくれたのでOKだったのかなあと。

 わたしは『動物園』と『郵便局』についてはそれぞれ一晩はゆうに語れますし(『動物園』の会員制犬クラブの「骨たて」がほしくてほしくて……)『緑のカナリア』と『秘密の湖』は愛情というものを体感する読書経験ができる本だと思っています。オウムのポリネシアとこしゃくな白ネズミを殿堂入りとして、素敵なワンポイントリリーフの「リノリウムを食べてしまうワニ」が好きです。たぶん初読の直前にガビアルのドキュメンタリー見てたせいだと思います。

『アフリカゆき』はどうしても最初に読むことになると思いますが、あとは順番あんまり気にしなくてもいいんじゃないかなあというのもドリトル先生シリーズのいいところ。もちろん急に動物増えることになるんですが、先生の家ってそういう雰囲気ありますからね。

 

4.『魔法使いのチョコレート・ケーキ』

魔法使いのチョコレート・ケーキ マーガレット・マーヒーお話集 (世界傑作童話シリーズ)

魔法使いのチョコレート・ケーキ マーガレット・マーヒーお話集 (世界傑作童話シリーズ)

 

石井桃子訳だから間違いないよー。

孤独というものに向き合った作品集です。表題作と、「たこあげたいかい」が顕著なのですが、人生というのはしょっぱくて渋いけど、まあ、それはそれでしかたなくて、おいしいチョコレートケーキを作ってティータイムを楽しんでいると、いいこともあるよ。という希望がちらちら見えてくる本です。わたしはひっくりかえっても人生楽しいマンではないのですがこの本のやわらいだ肯定感は好きです。

 

女子中学生に勧めた本

JCは中学受験とかちゃんとした頭のいい子ではあったので、最初からガンガン攻めてみました。

1.『ライオンと魔女』(C.S.ルイス

ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)

ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)

 

 ハリーポッターは読んだというので、次はナルニアを。映画は見なくていいよ!って言っておきました。ナルニア大好き!って感じだったら『黄金の羅針盤 (ライラの冒険シリーズ (1))』と思ったんだけどそうでもなかった。いちおうカスピアン王子は貸しましたが。

 ナルニアは「女王のプリン」とか「タムナスさんのごちそう」とかが非常においしそうなのでナルニアカフェができたらぜひ行ってコレジャナイ感を味わいたいものです。

 

2.『獣の奏者』(上橋菜穂子

獣の奏者 I 闘蛇編

獣の奏者 I 闘蛇編

 

 で、続編貸してください~といわれたのがこちら。 守り人シリーズでもよかったんですが、まだ文庫には抵抗があるようだったので単行本でもってるこっちを貸しました。そしたら『狐笛のかなた (新潮文庫)』を図書館で借りて読んだというので、守り人は図書館で読んでもらうことに。

 主人公が10代(続編はいきなり子持ちになってるけど)なので、JCにはこっちのほうが入りやすいのではないかと思います。上橋さん作品経験者は『バルサの食卓 (新潮文庫)』を読むと、死ぬほど腹が減るので夜間の作業にお勧めです。あきらめがつくよ!

 

3.『西の魔女が死んだ』(梨木果歩)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

 

文庫が大丈夫そうだったので貸した一冊。読み終えて「こんなおばあちゃんが欲しい!」と言った彼女が、リアルおばあちゃんの心を深く傷つけていないか心配です。自覚していることではありますが、わたしは生活を細やかに描いた小説が好きです。実際の生活は粗雑にもほどがあるのであこがれがあるのだと思う。

からくりからくさ (新潮文庫)』も読みたいと言っていたので貸しましたが、どうかな。

 

4.『カラフル』(森絵都

カラフル

カラフル

 

 一世を風靡したYA。というか、わたしの中ではYAってこのあたりから出てきたジャンルだと思っています。天使に与えられた「やりなおしの人生」を生きる、一度は自殺した男子中学生の物語。最近読み返したんですが、エアマックス狩りの景色が異様に懐かしく胸をついてきてびっくりしました。エアマックスはいたことないのに。

 ちなみにわたしは友人からこの本をプレゼントされたのですが、たぶん「一回死ね!」っていう意味だったんだろうなあって思ってます。

 

そんなかんじで、なるべく人の人生を曲げない形で本を紹介しました。これからも何度か貸していくことになると思うので、追加がありましたら書きたいと思います。