読書感想文あるいは11枚の原稿用紙について

 
夏の終わりですね。みなさんは定番の読書感想文は得意でしたか? 私は全然ダメでした。なぜなら読書をすることにかまけていて文章を書く練習をしてこなかったから。そして授業中は本を読んでいて先生の話を聞いていなかったから。お前はいつもそうだ。
大人になって本の感想をまとめることは減りましたがテクニックとして覚えたことがいくつかあるので書き残しておこうと思います。
 
①最初から原稿用紙に書かない
チラシの裏、A4コピー用紙、そういったものを用意します。
 
②本を読む
何の本かわかりません。小説かもしれないノンフィクションかもしれない新書や詩集かもしれない。とりあえず読みます。1回読んで概要をつかんだら、一度本を閉じます。半日くらいおいてから「目次」を読み返します。内容が思い出せましたか? 思い出せたところはあなたの心に残ったところです。そこに注力しましょう。
 
③最終的に伝えたいことを決める
前項で心に残ったところが決まりました。それをチラシの裏に書きます。場所はどこでもいい。そしてその心に残ったところに対しての意見・感想を書きだします。なんでもいいですがだいたい以下のような感じで1文で表せるとよいと思います。
「人間関係の変化に非常に共感できた」
「本筋はおいておいてこのシーンがエモい」
「作者の主張には添いかねる。私はこう思う」
「自分の感情を言語化するとこういう風になるのかと発見した」
なんかこういう感じでいきます。わからない場合はその本を友達や親に勧めるときにどこから勧めるかを考えてみてください。
 
④引用部分を決める
心に残ったところから引用をしましょう。引用というのは字数が稼げるうえに作者の意見とかシナリオをまとめる必要がないので便利です。②でわかった部分に付箋を貼り、だいたい80字までくらいでいい感じの文章を取り出しましょう。
ただし、自分の心に残ったシーンが20ページくらいにわたっているばあいは引用は諦めて自分でまとめましょう。読み違いのリスクはありますがしかたありません。
 
⑤伝えたいことと引用を使って構成を決める
まだ原稿用紙に書かないでください。構成を決めていきます。
だいたい以下の感じで書くのがテンプレになると思います
  • 最初に伝えたいことを書く→理由を書く→その理由は本の(あるいは自分の)どこからきたのかを書く(ここで引用を使う)→最後に伝えたいことをもう一押しする
  • 引用から始める→それに対して思ったこと(伝えたいこと)を書く→理由を書く→その理由がどこからきたのかを書く→まとめる
  • あらすじを書く→伝えたいことを書く→理由を書く→その理由がどこからきたのかを書く(引用を使う)→まとめる
流れが決まったら既定の枚数にしたがって各パートの割合を決めます。
 
⑥原稿用紙に書き始める
決めた流れにそって書きます。途中で思いついたことはあえて書かないようにします。脱線して混乱し破滅するので、最初に決めた通りにやりましょう。どうせ学校に提出するだけの文章です。イキイキしている必要もフレッシュである必要もまったくないのです。
 
⑦小技
・帯のキャッチコピー・文庫本なら裏表紙のあらすじを引用する
これは編集者が頑張って書いてるので本の大事なところを抑えている率が高く、効率がいいです
・解説を使う
文庫本だと解説がついているときがあります。これも本に対する感想とか意見とか推薦文が書かれていることがあるので使えます
読書メーター、「○○(本の名前) 感想文」での検索結果は使わない
これは先生が見てることがあるのでやめたほうがいいです
 
以上です。なおタイトルの11枚の原稿用紙というのは私が小学5年生の夏休みに読書感想文と題して11枚の「あらすじ」を提出しボコボコに怒られたことに由来しています。そういう風にならないように気をつけましょう。では。